「転職に挑戦したいけれど、職務経歴書の書き方が分からない…」
「応募しても書類選考で全落ち、全然受からない…」
そんな悩みを抱えている機械設計エンジニアは多いです。
結論から言えば、職務経歴書は「経験そのもの」ではなく「経験の伝え方」で評価が変わります。現場での作業経験も立派な実績として書けて説得力を高められます。

筆者は精密工学科を卒業後、設計エンジニアとして20年以上勤務し、2度の転職を経験。メーカー設計の現実も「転職 全落ち」の挫折も体験しました。現在は転職支援の立場から、同じ悩みを持つエンジニアに助言を行っています。
この記事を読めば、「自分の現場経験をどう書けばいいか」が分かり、書類選考に強い職務経歴書を作れるようになります。
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職務経歴書の基本構成と解説

転職活動で最初に見られるのは「職務経歴書」です。単なる履歴の羅列ではなく、あなたの経験を整理し、採用担当者に伝わるように設計することが大切です。
職務経歴書は大きく6つのパートで構成されます。
①職務要約 → ②職務経歴 → ③スキル・知識 → ④資格・免許 → ⑤研究内容 → ⑥自己PR。
この流れを意識して書くと、採用担当者に伝わりやすい職務経歴書になります。
この章では、職務要約や経歴の書き方、実績のまとめ方を悪い例と良い例を交えて解説します。
職務要約

職務要約は職務経歴書の冒頭に記載する「キャリアの要約」で、採用担当者が最初に目にする重要な部分です。
長すぎず短すぎず5〜6行にまとめ、最初に「自分は何者か(職種・経験年数・専門領域)」を明示します。その上で、強みや具体的な実績を一文ずつ加えると説得力が増します。
また、応募先企業が求める人材像に合わせて表現を調整することも重要です。
抽象的な言葉だけで終わらず、成果や改善事例を簡潔に盛り込むことで、読み手に「会ってみたい」と思わせる内容に仕上げましょう。
悪い例:
❌「私は機械設計を担当してきました。改善力とコミュニケーション力があります。」
→ 抽象的で経験の具体像が伝わらず、採用担当者が続きを読む動機を持ちにくい。
良い例:
⭕「産業機械メーカーで5年間、改良設計を中心に3D CADを用いた部品設計や試作評価を担当。量産前レビューでは締結部品の種類統一を提案し、組立工数を10%削減。製造部・品質保証部との調整役も務め、現場目線を取り入れた改善を実践してきました。」
→ 経験年数・仕事内容・成果・強みが短い文章に凝縮され、人事が続きを知りたくなる。

職務要約はキャリアのダイジェストです。「職種+経験年数 → 強み・実績 → 応募先に刺さる要素」の順で整理すれば、短くても印象に残ります。
職務経歴

職務経歴は勤務先ごとの在籍期間と職務内容を書きます。
会社概要
会社概要は、あなたがどのような環境で働いてきたかを採用担当者に伝える重要な情報です。
事業内容を一文で端的にまとめ、会社規模(資本金・従業員数・売上高)や本社所在地を添えることで、仕事の背景が分かりやすくなります。
ただし、会社パンフレットのように長い理念や歴史を語る必要はありません。誰でも理解できる言葉に直し、2〜3行(200〜300文字程度)に整理するのが理想です。
悪い例:
❌「搬送機器の生産ラインにおけるロボットハンドの制御機構を提供」
→ 専門用語が多すぎて、異業種の人事には伝わらない。
❌「昭和35年創業以来、誠実と信頼を大切にしながら社会に貢献し…」
→ 沿革や理念を長々と書いていて、職務経歴書には不要。
❌「開発第3課に配属」
→ 内部呼称をそのまま書いていて、採用担当者に意味が伝わらない。
良い例:
⭕「株式会社A(資本金10億円/従業員数500名/本社:東京都)は、自動車メーカー向けに搬送装置や精密部品を製造する中堅メーカーです。私は設計部門に所属し、産業機械の改良設計や新規仕様検討を担当しました。」
→ 事業内容・規模感・所属部門が明確で、人事がすぐに仕事内容をイメージできる。

会社概要は「何をしている会社か」「規模感」「勤務地」を簡潔に伝えることが大切です。A4用紙2〜3行に収め、採用担当者に一目で理解されるようにしましょう。
担当フェーズ
職務経歴書に担当フェーズを書く際は、自分が設計工程のどこに関わったのかを網羅的に示すことが大切です。
設計業務の主な工程
- 要件定義(お客様の要望を聞き取る)
- 基本設計(構造や仕様を決める)
- 詳細設計(部品レベルの図面を作る)
- 試作・評価(試作品を作り、性能を確認する)
- 量産立上げ(生産準備、製造移行)
- 不具合対応(改善対応、トラブル対応)
要件定義から不具合対応までの流れを整理し、その中での役割を具体的に記載しましょう。単なる列挙ではなく、各工程での工夫や成果を盛り込むと説得力が高まります。
また、社内呼称は避けて一般的な表現に直し、応募先が重視するフェーズを強調することで、採用担当者に自分の強みを印象づけられます。
悪い例:
❌「詳細設計、試作評価を担当しました。」
→ 工程名の列挙だけで、何をしたのか・どんな成果があったのかが伝わらない。
良い例:
⭕「詳細設計では3D CADを用いて板金部品の形状を設計し、組立性を考慮した図面を作成。試作評価では振動試験で異音を発見し、材質変更で問題を解決。量産立上げでは製造部と協力して工程を調整し、スケジュール通りに量産を開始した。」
→ 工程ごとの役割と成果が具体的に示され、経験の厚みが伝わる。

担当フェーズは「工程名+役割+成果」でまとめると、あなたの実力が一目で伝わります。読み手が理解できる表現で整理するのがポイントです。
プロジェクト規模・役割
職務経歴書でプロジェクト規模・役割を書く際は、自分がどのような立場でどれくらいの規模の業務に携わったのかを明確に示すことが重要です。
まずはチームの人数や全体の規模を数字で表し、次に自分の役割を「主担当」「サブ担当」「調整役」など具体的に記載します。そのうえで、どの工程を任されたのかを明確にし、成果や影響を添えると説得力が増します。
過大表現や曖昧な言葉を避け、数字や実績を伴った正直で具体的な表現を心がけましょう。
悪い例:
❌「プロジェクトで設計を担当しました。」
→ 規模や人数、役割が不明確で、経験のスケールが伝わらない。
良い例:
⭕「5名の設計チームの主担当として、搬送装置の詳細設計と試作評価を担当。製造部や品質保証部と調整し、不具合を試作段階で解消。結果として量産移行を予定通りに完了させた。」
→ 人数・役割・工程・成果が具体的に示され、経験の厚みが伝わる。

プロジェクト規模・役割は「人数+立場+任された工程+成果」をワンセットで書くと、採用担当者にあなたの貢献度を正確にイメージさせられます。
主な実績
職務経歴書で主な実績を書く際は、単なる業務内容ではなく「課題→行動→成果」の流れで整理することが重要です。
成果は可能な限り数値化し、「コスト削減」「効率化」などの抽象表現ではなく「材料費を7%削減」「工数を10%短縮」と具体的に示します。
また、チームでの実績は自分の役割を明確に記し、応募先企業の事業内容に関連性が高い成果を優先して書くと効果的です。
1つの実績は2~3行に凝縮し、簡潔かつ伝わりやすくまとめましょう。
悪い例:
❌「コスト削減に取り組みました。」
→ 具体性がなく、どんな行動でどの程度改善したのかが伝わらない。
良い例:
⭕「搬送ユニットの板厚を見直し、部品点数を削減。結果として材料費を7%削減し、組立工数も10%短縮。設計検討の主担当として改善提案を行い、量産品に展開された。」
→ 課題・行動・成果がそろい、数値と役割も示されており説得力がある。

主な実績は「課題・工夫・成果・役割」を簡潔に書くことが鉄則です。数値や具体事例を添えることで、評価につながりやすくなります。
生かせる経験・スキル・知識

職務経歴書で経験・スキル・知識を書く際は、単なる羅列ではなく「どのように業務で活用し、どんな成果を出したか」を添えることが大切です。
使用ツールや機器は使用年数やレベル感を明記し、実務にどう役立ったかを一文でまとめましょう。
英語力や資格は数値や資格名だけでなく、業務への応用例を記載すると説得力が増します。
また、特許や表彰などは成果の裏付けとなるので積極的に記載を。
応募先企業が求めるスキルを優先的に整理することで、即戦力としてのイメージを与えられます。
悪い例:
❌「英語力:TOEIC600点、CAD:SolidWorks、機器:FFTアナライザー」
→ 単なる羅列でレベル感や活用実績が見えず、実務にどう役立つのかが伝わらない。
良い例:
⭕「SolidWorks(3年使用):板金部品の設計で干渉検討や組立性改善に活用。
⭕「AutoCAD(5年):量産部品図面の作成・修正を独力で対応。
⭕「FFTアナライザー:試作機の異音解析を実施し、材質変更提案で不具合を解消。
⭕「TOEIC600点:海外メーカーの英語仕様書を理解し部品選定に活用。
⭕「社内改善提案が採用され、製造ラインの工数削減に貢献。」
→ 使用ツールや知識を活用した具体的な場面と成果が記載され、即戦力としてのイメージが湧く。

経験・スキル・知識は「ツール名+使用年数+用途・成果」を一文にまとめるのが鉄則です。採用担当者に「入社後すぐ活躍できる」姿を具体的に想像させましょう。
取得資格・免許

職務経歴書で取得資格・免許を書く際は、業務に関連する資格を優先し、正式名称で記載することが基本です。
取得年月を添えることで信頼度が高まり、継続的な学習姿勢を示すこともできます。
また、単なる羅列ではなく「TOEIC600点:英語仕様書の理解に活用」など、業務への活用イメージを短く補足すると効果的です。
関連性の低い資格は整理し、必要なら「努力できる人材」であることを示す補足程度にとどめましょう。
悪い例:
❌「英検2級、簿記、CAD資格」
→ 略称で不正確、取得時期もなく、どのように役立つのかが伝わらない。
良い例:
⭕「TOEIC600点(2021年取得):海外メーカーの仕様書を理解し部品選定に活用」
⭕「日商簿記検定3級(2020年取得):設計コストを意識した部品設計に応用」
⭕「普通自動車第一種運転免許(2018年取得):出張や客先訪問に対応可能」
→ 正式名称+取得年月+活用イメージがそろい、即戦力としての印象を与える。

資格・免許は「正式名称+取得年月+業務での活用」を基本に書けば、採用担当者に強みが伝わりやすくなります。
大学時代の研究内容

職務経歴書に大学時代の研究内容を書く際は、単なるテーマ紹介ではなく「課題→工夫→成果→学び」の流れでまとめることが大切です。
研究テーマが実務と直接関係なくても問題ありません。大事なのは、研究を通じて得た課題解決力や分析力、工夫して成果を導いた経験を伝えることです。
また、専門用語を避け、採用担当者が理解できる平易な表現に置き換えることも重要です。
分量は4〜6行程度を目安に、応募先企業に役立つスキルや姿勢を強調しましょう。
悪い例:
❌「大学ではアルミ合金の研究をしていました。」
→ 内容が抽象的で、何を課題として取り組み、どんな学びを得たかが伝わらない。
良い例:
⭕「大学ではアルミ合金の疲労試験をテーマに研究。限られた測定機材の中で条件を工夫し、従来より10%精度の高いデータを取得しました。この経験を通じて、課題に応じた工夫力やデータ分析から改善策を導く力を培いました。」
→ 課題・工夫・成果・学びがそろっており、実務に応用できる力が伝わる。

研究内容は「テーマ+課題+工夫+成果+学び」を簡潔にまとめるのが鉄則です。採用担当者に理解しやすい表現で、仕事に活かせる要素を強調しましょう。
自己PR

職務経歴書における自己PRは、これまでの経験を強みに変えてきた具体例を示し、さらに入社後どう貢献できるかを伝える重要なパートです。
抽象的な言葉だけではなく、必ずエピソードと成果を盛り込みましょう。特に「改善力」「調整力」などは、実績と結びつけることで説得力が増します。
また、応募先の求人内容に沿った要素を強調すると効果的です。
全体は5〜6行程度で「強み→エピソード→成果→入社後の貢献」という流れでまとめるのが理想です。
悪い例:
❌「私は改善力とコミュニケーション力があります。これまでチームで仕事を進めてきました。」
→ 抽象的で、具体的な成果や根拠が示されておらず、説得力に欠ける。
良い例:
⭕「これまで改良設計を中心に担当し、量産前レビューで締結部品の種類を統一する提案を行い、組立工数を10%削減しました。製造部・品質保証部との調整役も務め、現場の声を反映させた改善を実現。培った改善力と調整力を活かし、御社製品の品質向上と開発効率の改善に貢献したいと考えています。」
→ 強み+具体エピソード+成果+入社後の貢献が一連の流れで伝わり、説得力がある。

「自分がどう動いたか」「どんな効果があったか」が分かると説得力があります。
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職務経歴書は自分だけで作成すると、どうしても「伝わる表現」や「人事目線での評価基準」が抜けてしまうことがあります。
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まとめ
本記事では、機械設計エンジニアが転職活動で「応募しても全落ち」という悩みを解決するため、書類選考を通過できる職務経歴書の書き方を解説しました。
重要なのは「経験そのもの」ではなく「経験の伝え方」です。
職務要約ではキャリアを5〜6行で端的に整理し、会社概要は事業内容や規模を簡潔に記載。担当フェーズやプロジェクト規模は役割と成果を具体的に示し、主な実績は課題・行動・成果を数値で表すと効果的です。
さらにスキルや資格、研究内容も「どう活かせるか」を添え、自己PRでは強みをエピソードと成果に結び付けることで、採用担当者に「会ってみたい」と思わせられます。
また、書類通過率を確実に上げるには転職エージェントを活用するのが近道です。
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