はじめに:伝える力が転職を左右する
「40代で初めての転職。これまでの設計経験をどう表現すれば評価されるのか分からない…」
そんな悩みを抱えていませんか?
結論から言えば、職務経歴書では「伝える力」が何より重要です。
単なる作業の羅列ではなく、あなたの専門性・成果・マネジメント経験が“採用担当者に伝わる形”で表現されているかが、書類通過率を左右します。
本記事では、設計歴20年・マネジメント経験ありの40代設計職の方向けに、即使える職務経歴書テンプレートと記入例を提供します。筆者も設計歴20年超の実務経験者として、現場目線での解説を行います。
このテンプレートを活用することで、
✅ 自分の強みを明確に言語化できる
✅ 実績やマネジメント経験が正しく伝わる
✅ 書類選考の通過率が向上する
という3つのメリットが得られます。
それでは、実践的な内容に入っていきましょう。
企業が職務経歴書で重視する3つのポイント
① 専門スキルと業務範囲
なぜ重要か?
企業は、応募者が自社の業務にどれだけフィットするかを見極めます。特に機械設計職では、「構想設計・詳細設計のどちらに強いか」「使用CADは何か」「装置や部品の設計経験があるか」などが重視されます。
40代ならではの見せ方
豊富なキャリアを「広く浅く」ではなく、「深く・継続的に」積んできたことを強調しましょう。特定分野での専門性、長年携わった技術領域を具体的にアピールするのが効果的です。
② 成果・実績の定量表現
なぜ重要か?
「どんな業務を担当したか」よりも、「どんな成果を出したか」が評価されます。
例えば、「搬送装置の軽量化」「図面修正工数の短縮」「設計品質の向上」など、成果を“数値化”することで説得力が格段に上がります。
40代ならではの見せ方
過去の成果を「技術力×課題解決力」で示しましょう。技術だけでなく、製造現場との連携やプロジェクトリーダーとしての動きなど、“影響範囲の広さ”も評価につながります。
③ マネジメントスキル
なぜ重要か?
40代には現場作業だけでなく、「若手育成」「設計進捗管理」「チーム全体のアウトプット最大化」が期待されています。企業側は、将来の中核メンバーとしてのマネジメントスキルも見ています。
40代ならではの見せ方
単に「リーダーをしていた」ではなく、
- 「何名をマネジメントしていたか」
- 「育成や進捗管理でどう成果を出したか」
- 「トラブルを未然に防いだ経験」
など、具体的なエピソードで“実行力のある管理能力”をアピールしましょう。
伝わる職務経歴書の基本構成とテンプレート
基本構成は「職務要約」+「職務経歴」
職務要約の書き方
職務要約は、履歴書でいう「自己PR」に近い役割を持ちます。採用担当者が最初に目を通す箇所であり、ここで関心を引けなければ、それ以降の職務経歴をじっくり読んでもらえない可能性もあります。
どんな構成にすべきか?
以下のような3つの要素を押さえると、評価されやすい職務要約になります:
- 経歴の要点(業界・年数・専門領域)
→「X線分析装置のメカ設計に17年間従事」など、経験の軸を明確に。 - 強み(技術・スキル・成果)
→「構想設計から量産立ち上げまでを一貫して担当。SolidWorks歴10年」など、具体的に記載。 - 即戦力性(転職先への貢献イメージ)
→「新製品開発のリーダー経験を活かし、即戦力として貢献可能」など、相手目線でまとめる。
40代ならではの強みを入れる
40代設計者は「技術×経験×マネジメント」の三拍子が揃っていることが強みです。単なる技術者ではなく、人と業務を動かせるプレイングマネージャーであることを示せば、企業からの評価も上がります。
職務経歴の書き方
勤務先ごとに時系列で書きます。「どんな設計をしたか」「どう成果を出したか」を1案件ずつ記載しましょう。
構成は「プロジェクト単位」か「時系列」か?
40代のベテラン層には、プロジェクト単位で書く形式がおすすめです。理由は、担当した役割や成果がより伝わりやすいからです。
- 【プロジェクト名】または【製品名】
- 【期間】
- 【担当業務】
- 【使用ツール・技術】
- 【成果・工夫点】
のように項目を分け、見やすく整理しましょう。
実績は「数値+改善内容+工夫点」で記載
たとえば下記のように、成果が定量的に伝わる工夫が重要です:
◎ 構想段階から3D設計・試作・量産までを一貫して担当。
◎ 図面レビューを効率化するテンプレートを導入し、設計工数を25%削減。
◎ 生産部門と連携し、量産後のトラブルを3件未然に防止。
単なる「やったことの羅列」ではなく、“どう貢献したか”が伝わる成果記述を意識しましょう。
マネジメント経験は必ず記載
40代にとって、リーダー経験・育成実績は重要な評価軸です。以下のような記載があると好印象です:
◎ 若手3名のOJTを担当し、全員が半年以内に独り立ち。
◎ 製品開発の進捗管理と品質レビューを一括で担当。
「自分の成果」だけでなく「組織への貢献」をアピールすることで、管理職候補としての視点を持つ人材だと判断されます。
40代設計職向け:職務経歴書テンプレート
ここでは、実際に使える職務経歴書テンプレートを紹介します。設計歴20年・マネジメント経験ありのモデルケースとして参考にしてください。
職務要約
半導体製造装置・X線分析装置の機械設計に20年以上従事。構想設計から量産立ち上げまで一貫対応し、SolidWorks・AutoCADなどの3D CADに精通。
現場目線を重視しつつ、若手エンジニアの育成やチーム進捗管理を行うプレイングマネージャーとして、品質改善・納期遵守に貢献してきました。
職務経歴
株式会社〇〇〇〇(X線分析装置メーカー)
- 期間:2022年4月~現在
- 職種:機械設計エンジニア(メカ)
- 業務内容:
- 卓上型X線分析装置の筐体・ヒンジ設計
- SolidWorksによる3D設計、図面作成
- 製造部との設計調整、BOM作成、若手2名のOJT
- 成果:
- ドア構造見直しで耐久性120%向上
- コストダウン設計により部品費7%削減
- 現場連携で初期不良率を40%低減
株式会社△△△△(半導体製造装置メーカー)
- 期間:2005年4月~2022年3月
- 職種:機械設計エンジニア(メカ)
- 業務内容:
- 真空装置・搬送ユニットの構想~詳細設計
- iCAD/AutoCADによる設計と標準化推進
- 若手5名の育成と進捗管理
- 成果:
- 搬送機構の軽量化で構成部品数20%削減
- 技術者育成により1年で独り立ち設計者を2名輩出
- 設計レビュー標準化でトラブル件数30%削減
使用CAD・スキル
- 3D CAD:SolidWorks、iCAD、AutoCAD
- その他:Excel、PowerPoint、BOMツール、レビュー資料作成
資格
- 機械設計技術者2級
- 第一種衛生管理者(取得予定)
まとめ:職務経歴書は“伝え方”がすべて
40代の転職では、単に「長く働いた」だけでは評価されません。
企業が知りたいのは、“何をして、どんな成果を出し、どう組織に貢献できる人か”という視点です。
そのために、職務経歴書では以下の3つが鍵となります。
- 専門スキルの具体化
- 成果の数値化
- マネジメントスキルの明確化
この記事のテンプレートをもとに、あなたのキャリアを「伝わる言葉」で整理してみてください。伝える力が変われば、転職成功の確率も確実に上がります。