「転職活動で一番迷うのが志望動機の書き方だ…」
そんな風に悩んでいませんか?
設計職でのキャリアが長くなるほど、スキルや経験は積み上がる一方で、「なぜ転職したいのか?」「なぜこの会社なのか?」という問いに対して、うまく答えられないことが増えてきます。
ですがご安心ください。
転職の志望動機は「よくある転職理由のパターン」に自分を当てはめて整理することで、説得力のある言葉として表現できるようになります。
私は現場で20年以上、設計者として働いてきた中で、複数回の転職と職務経歴書・面接対策も実践してきました。さらに、同業の後輩たちのキャリア相談にも多く関わってきた経験から、この記事をお届けしています。
この記事では、設計職によくある5つの志望動機パターンと具体例文、伝え方のポイントを紹介します。読み終わるころには、「自分はこの理由でいいんだ」と納得して、前向きな言葉で志望動機を語れるようになるはずです。
設計職が志望動機で悩みやすい理由
そもそも「やめたい理由」ばかりになりがち
転職を考え始めるきっかけは、ほとんどの場合が「不満」や「違和感」です。
しかし、それをそのまま志望動機として伝えるとネガティブに聞こえてしまい、選考に不利に働くことがあります。
「残業が多くて体力的にきつい」
「上司の方針と合わない」
こうした本音も大切ですが、相手企業が知りたいのは「うちで何をしたいのか」「どんな貢献ができるのか」です。
「とりあえず転職」では相手に伝わらない
目的が曖昧なまま転職活動を進めてしまうと、企業ごとの志望動機もテンプレート的な表現に留まりがちです。
結果として「他社でも言えそうな内容だな」と受け取られ、印象が薄れてしまいます。
設計職に多い志望動機のパターンと例文5選
パターン①:スキルアップ・技術の幅を広げたい
- 例文:
「これまで自動車部品の2D設計を中心に行ってきましたが、今後は3D設計やCAEを活用した開発にも挑戦したいと考えております。貴社では複数の開発工程に携われる点に魅力を感じ、志望いたしました。」 - ポイント:
「挑戦したい技術」+「現職では得られない環境」をセットで伝えることで説得力が増します。
パターン②:上流工程に関わりたい・顧客折衝に挑戦したい
- 例文:
「設計スキルをさらに高めるとともに、今後は企画や要件定義といった上流工程から携わる経験を積みたいと考えています。貴社では顧客との折衝段階から製品開発に関われる点に魅力を感じ、志望いたしました。」 - ポイント:
「設計力×上流志向」は30代に多く、自己成長を軸にした志望動機として評価されやすいです。
パターン③:働き方の改善・ワークライフバランス重視
- 例文:
「長時間労働が常態化しており、技術的な成長に集中しづらい環境に課題を感じていました。貴社では効率的な開発体制と明確な労働時間管理が整っていると知り、自分の力をより発揮できる環境だと感じました。」 - ポイント:
環境改善系の志望動機は、不満だけでなく“前向きな未来”を描く形にすると印象が良くなります。
パターン④:会社の方向性と価値観の違い
- 例文:
「現職ではコスト優先の方針が強く、自分の設計ポリシーとのズレを感じる場面が増えてきました。貴社は品質や設計思想を重視する文化があると感じており、共感できる環境で働きたいと考えて志望しました。」 - ポイント:
批判的に聞こえないように注意しつつ、「価値観の一致」を軸にすると自然に伝わります。
パターン⑤:勤務地や家庭事情による転職
- 例文:
「家庭の事情により地元に戻る必要が生じました。これまでの設計経験を地元企業で活かし、長く安定的に働ける環境で貢献したいと考え、志望いたしました。」 - ポイント:
地理的な要因は嘘がつけない部分なので、正直に伝えつつスキル面での貢献意欲を強調しましょう。
志望動機を伝えるときの注意点
一貫性と具体性を意識する
- 履歴書・職務経歴書・面接で伝える内容は、できるだけ一貫性を持たせましょう。
- 「なぜそう思ったのか」という背景にエピソードや数字があると、説得力がぐっと増します。
ポジティブな表現を選ぶ
- 志望動機はあくまで「未来志向」で語ることが大切です。
- 「〇〇が嫌だった」ではなく、「こうありたい」「こうしたい」と表現を変えるだけで印象は大きく変わります。
まとめ
転職の志望動機は、「どうして転職したいのか?」だけでなく、「どうしてこの企業で働きたいのか?」をセットで語ることが重要です。
設計職でよくある転職理由パターンに沿って、自分の経験や考えを言語化すれば、説得力のある志望動機を作ることができます。
本記事で紹介した5つのパターンと例文を参考に、自分に合った伝え方を見つけてください。そうすれば、面接でも堂々と志望動機を話すことができ、自信を持って転職活動に臨めるようになります。